システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップを支える新しい技術:1.レプリケーション

前回はRTO/RPOから考えたバックアップの方法、コストの関係についてみていきました。

バックアップをする必要とする範囲や重要度が大きくなると、
バックアップやリカバリに必要な時間も比例して長くなります。

しかし、バックアップする側の理想としては、

・バックアップ処理が一瞬で完了
・リカバリ処理が一瞬で完了
・バックアップ、リカバリが自動的に実行され、管理者の手を要しない
・・・

そうです。理想としては

近年のバックアップ技術の登場によって、少しではありますがこれらの理想に近づきつつあります。

ご存知の方も多いと思いますが、解説していきますね。
レプリケーション(Replication)は、ディスクボリュームやデータベースの完全な複製をリアルタイムで作成する技術です。
ミラーリングやクローニングとも呼ばれます。

レプリケーションには、下記2種類があります。
1.本番データと同じサーバールームやデータセンター内に複製データを作成する手法
(ローカルレプリケーション)
2.本番データから離れた拠点に複製データを作成する手法(リモートレプリケーション)

ローカルレプリケーションは障害時のリカバリを出来る限り迅速に行うことを主な目的とします。
一方、リモートレプリケーションは災害時のディザスタリカバリ(Disaster Recovery)が主な目的です。

障害あるいは災害などで本番用サーバーやストレージ装置が使用できなくなっても、レプリケーション先が無事であれば、その時点の最新状態が複製されているため業務を継続できるわけです。

レプリケーション先に直接アクセスすることができれば、リストア作業は実質的に不要になります。ローカルレプリケーションであれば、アプリケーションサーバーに接続するボリュームを本番ボリュームから複製ボリュームに変更するだけで済みますし、リモートレプリケーションなら、クライアントからの接続先を切り替えるだけですむわけです。
良いことだらけのように見えるレプリケーションですが、デメリットもあります。
それは、
・本番データ量と論理的に同じだけのディスク容量が必要
・誤ったデータも複製されてしまう
ということです。

そもそも費用が高いということもあります。

またレプリケーションでは、「データを誤って、あるいは故意に、更新または削除した」という人為的な事故が生じた場合にも、機械的に即時に複製するため、本番データにも複製データにも、リカバリのための元データが残らないのです。レプリケーションだけでは、人為的なミスには対応できないのです。

このような状態に備えて用いられる技術が次回紹介するスナップショットとなります。

少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:バックアップの方法、コストの関係

前回リストア(復元)の要件についてみていきました。

リストア要件は、
①目標復旧時間(Recovery Troouble Objective、以下RTO)
②目標復旧時点(Recovery Point Objective、以下RPO)
の2つの指標を中心に決定するとの話でした。



次にRTO/RPOから考えたバックアップの方法、コストの関係についてみていきます。

【RTOを基準にしたバックアップ方法の分類】
・数秒
 サーバの多重化(クラスタリング)+データの複製
 コスト ★★★★
・数分~数時間
 スナップショット
 コスト ★★★
・数時間
 ディスクによるバックアップ
 コスト ★★
・数十時間
 テープによるバックアップ
 コスト ★


【RPOを基準にしたバックアップ方法の分類】
・ゼロ
 ストレージの同期レプリケーション、継続的データ保護(Continuous Data Protection)
 コスト ★★★★
・数分
 ストレージの非同期レプリケーション
 コスト ★★★
・数時間
 ディスクによるバックアップ(差分)
 コスト ★★
・数十時間~
 テープによるバックアップ
 コスト ★

限界までRTOを縮めようとすることは、ストレージメディアに何を使うか?という問題ではなく、
システムそのものを複製する必要が出てきます。
一方、改竄されたデータが複製された場合など、RPOが短いだけでは許容できないケースもあります。

何事においてもそうですが、
結局優先度の判断基準をもって、バランスをみて判断することが重要です。



少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:リストア要件から考えるバックアップ設計

前回はバックアップメディアのお話でした。
参考になりましたでしょうか?

実をいうとテープといってもデータカートリッチやLTOなど種類があります。
イメーション社:データカートリッチ    イメーション社:LTO


また下記のようなテープを入れて制御するテープライブラリがを導入すれば、複数のテープを組み合わせ
、バックアップソフトで時間設定して、夜中に自動でのバックアップ(システム)を可能とします。

HP社:テープライブラリ

ここでは深追いはしませんが、ポリシーやメディア、これからお話するリストア(復元)の要件など
どのように組みあわせるかが重要になります。



それでは、リストア(復元)の要件について見ていきましょう!

リストア要件は、
①目標復旧時間(Recovery Troouble Objective、以下RTO)
②目標復旧時点(Recovery Point Objective、以下RPO)
の2つの指標を中心に決定します。

①のRTOは、データ消失などの障害が発生してから、データを復旧させるまでの時間
②のRPOは、障害発生時から遡って、いつの時点のデータを復旧させる事ができるか
となります。

RTO・RPOはともに小さいほうがいいのですが、予算が限界があり現実的なところを
見極める必要があります。

やはりどこまでは仕方ないとするかを決めることが重要です。

次回からRTO/RPOから考えたバックアップの方法、コストの関係を見ていきますね。



少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:メディアの選び方

前回まではバックアップのポリシーについてお話しました。
御社事業にとって最適なポリシーを組み上げることはできましたでしょうか?

さて今回はバックアップメディアの選び方についてお話していきたいと思います。

バックアップメディアには大きく分けて2つあります。

①テープ
②ハードディスク

それぞれメリット・デメリットがあります。
やはりここでも御社にあったものを検討・選ぶことが重要です。

■テープ
【メリット】
 ・持ち運びが容易
 ・転送速度が速い
 ・大容量
 ・容量辺りの単価が低い
 ・長期保存に適する
 ・データ量増加に対応が容易
 ・世代管理が容易
【デメリット】
 ・ランダムアクセスが出来ない
 ・定期的な交換・メンテナンスが必要

■ハードディスク
【メリット】
 ・ランダムアクセスに優れている
 ・転送速度が速い
【デメリット】
 ・磁気や衝撃に弱く、持ち運びに適さない
 ・システムと切り離す事が難しい

ポイントをまとめるとこうなります。

テープへのバックアップは、持ち運びがしやすいために災害対策が取りやすく
メディアそのものが低コストで長期保存に適しています。
バックアップ対象となるデータが急激に増えた場合にも、対応がしやすいと言えます。

ハードディスクは転送速度が高速であることが最大の特徴です。
ランダムアクセスに強く、頻繁に修正を行なったり、参照するデータのバックアップに向いています。
一方、持ち運びに適さず、災害時などのビジネスの継続性を考えると、適しているとはいえません。

お客様にもよりますが
ご相談頂く場合、テープをお勧めすることが多いですね。

次回はデータ復元を見越してのバックアップ設定のお話をしますね。


少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:バックアップポリシー

前回はどこまでは仕方ないとするかが重要だとお話しました。

今回はそれを踏まえてバックアップポリシーについて考えてみましょう!

バックアップのポリシーについては、大まかに分けて3つあります。
①フルバックアップ
②差分バックアップ(ディファレンシャルバックアップ)
③増分バックアップ(インクリメンタルバックアップ)


それぞれ見ていくと

①フルバックアップ
対象となるデータを一度に一括で複製します。
全てのデータが一箇所に集まっているため、データを検索する時間が減り、リストアの作業も少なく高速です。
一方、バックアップに必要なメディアの容量は、対象データ以上の容量が必要で、時間もかかります。
どのバックアップ方式を組み合わせるにしても、一度はフルバックアップを行なう必要があります。


②差分バックアップ(ディファレンシャルバックアップ
直近のフルバックアップから変更/追加されたデータのみを複製します。
フルバックアップに比べて大幅にバックアップ容量、時間を減らせます。
復旧の際には、直近のフルバックアップしたメディアと、最新の差分バックアップのメディアの2種類が必要になります。


③増分バックアップ(インクリメンタルバックアップ)
直近のバックアップからの変更/追加されたデータのみを複製します。
差分バックアップに比べて、更にバックアップ容量、時間を減らす事が出来ます。
復旧の際には、直近のフルバックアップしたメディアと、そこからの増分や差分バックアップを行なった全てのメディアが必要になります。



フルバックアップなら、一つのメディアに全てのデータが入っていますから、リストアの作業はシンプルで
結果的に時間も短くなります。
一方で、バックアップにかかる時間は長く、バックアップに必要なメディアの容量も大きなものとなります。


差分バックアップや増分バックアップは、バックアップにかかる時間や容量などのコストは抑えられる反面、復旧の際に手間がかかるというデメリットがあります。



つまりは、
かけられるコストと、バックアップとリストアのどちらに重きを置くかなどを勘案して、ポリシーを組み合わせることが重要です。


次回はバックアップメディアについてお話します。


少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:いつまで残すか

前回は経営層との合意が重要とのお話でしたね。

今回は個別にデータ消失リスクを見ていきます。
データ消失リスクには大きく2つありましたね。

1.物理的なリスク
人為的なミスや、ソフトウェアの障害・バグ、ウィルス感染やクラッキングなどの第三者による意図的な改竄など
2.論理的なリスク
ハードウェアの故障や、自然災害など



まず、1.論理的なリスクに対しては、バックアップを数世代に渡って取得することが重要です。

バックアップではよく世代・世代管理などの言葉が使われます。

簡単にいえばいつまでの分を残すか、上書きするかです。

せっかく取ったバックアップデータが壊れていたり、悪意のある第3者によって改竄されていた場合に、
さらに時間的遡る必要があるからです。


あまり考えたくはありませんが、
改竄の悪意のある第3者はウイルスなどだけでなく、
自社社員なんてことも・・・・

その意味では、何世代でどこまで復元できるかは全員に告知しない方がいい場合もあります。



また2.物理的なリスクに対しては、
普段の業務で用いるものとは別の仕組みのメディアに保存したり、保存したメディアを離れた場所に
保管するといった対策が有効です。
※メディア自体を複数の拠点でやり取りするサービスもあります。

重要度に応じてまた、2重・3重に多重バックアップを取ることも検討する必要があるかもしれません。
※オンライン上のストレージやデータセンター内にサーバ領域をレンタルし、そこにバックアップすることも可能です。

やろうと思えば青天井ですので結局は

どの範囲を仕方ないとするか

です。


では次回より具体的なバックアップポリシーについてお話させていただきます。


少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:設計よりも重要なこと

前回は、データ消失のリスクとして、大きく分けて以下のものがあることをお話しました。

1.物理的なリスク
・ハードウェアの故障・障害
・盗難や紛失
・地震や火災などの災害
2.論理的なリスク
・ソフトウェアの誤動作
・コンピュータウィルス、サイバーテロ
・人為的なオペレーションミス
etc…

とはいえ対策費用もバカになりません。
役員に「過去発生していないなら最小限で」・・・・・ともなりかねません。
※最小限なら最小限で、できること・できないことを絶対に認識して頂く必要があります。



BCPのところでも触れましたが、
御社としてどこまでやるのかを明確にすることが重要です。

逆にいえば、
どの範囲が仕方ないとするか
です。


ここでもやはりそこで重要なのは経営層との合意です。

たとえば
今の対策でファイルサーバーは2日で復旧しますが、クライアントPCのデータは復旧できない
など

これでいいとの合意です。


経営層からしても、明確になっていれば何か起こっても、
その時はこうするとか、それなら業務は○日止まるが保険で相殺できるなど
心づもりができるわけです。

意外にも
かなりの費用をかけて、万全を期しているのに
経営層は何も知らないことも多いです。

任せっきりでは
経営層としてもかなりのリスクなんですが。。。

それでは次回はデータ消失リスクを個別に見ていき,具体的に掘り下げていきます。



少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:データが消失する主なリスクとは

前回はよくあるバックアップの状況・体制についてふれました。
ドキっとされた方もいるかもです。

それでは今回はデータが消失する主なリスクについてお話します。

ズバリ「データが消失する主なリスク」としては、以下のものがあります。

1.物理的なリスク
・ハードウェアの故障・障害
・盗難や紛失
・地震や火災などの災害
2.論理的なリスク
・ソフトウェアの誤動作
・コンピュータウィルス、サイバーテロ
・人為的なオペレーションミス
…などなど

そらそうだ。といった感想ですよね。
でもそれぞれ原因などが違うのでそれぞれ検討が必要です。


なかでも、実は人為的なミスは、データ消失のリスクとして1、2を争うわけです。


消してはいけないデータを削除してしまった。
世代管理するべきデータを上書き保存してしまった。
そういったケースは後を絶ちません。

いろいろなIT・システム機器が出てどんどんハイテクになっているんですが、
トラブルが起きるときというのは意外にアナログが多いんです。

IT・システム担当者がつらいのは、「こんなのすぐにもとに戻せるんでしょ?」
なんて軽く言われたり・・・ おいおいと

でもやっぱりバックアップは、それを用いてデータの復元をし、ASAPで業務が再開出来ないとやる意味が
ないには事実です。

逆にうちはこういうポリシー(方針)で、○日前のものは、○○時間で復旧(戻せます)できますといえる
状態にはしたいものです。


そこで次回より、
いざという時に慌てないですむ、バックアップシステムについてご紹介していきます。



少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法:データを複製するだけがバックアップではない

今回よりバックアップについてお話していきます。


お客様にお聞きすると
データをコピーしておいてサーバー故障や間違って消した際に復元すればいいんでしょ?
やってますよと言われます。


皆さん正解です!!


ではどれくらいの時間で、いつまで戻せるか?
御社としてはどこが死守すべき要件で運用されてますか?

残念ながら、
「・・・」の方も多いです。

ただ1週間に1度ファイルサーバーを落としているだけ
よく聞くと毎回上書きしていたり・・・なんてことよくあります。


この場合たとえば
金曜日にファイルサーバーが故障したら、1週間前の金曜日
つまり1週間分の仕事が飛びますね。

上書きしてますので、1週間前の水曜に作って、1週間前の金曜日バックアップ前に消したもの
を戻したいときは・・・・



もちろん想定どおりであれば全く問題ありません。

想定していればです。



不安に感じられた方は、今がチャンスです。
ここは「システム・IT担当者が知っておくべき本当のバックアップ設定・管理方法」ですから。

次回からまず敵を知るべくデータ消失の主なリスクから見ていきます。



少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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システム・IT担当者が知っておくべき本当のUPS停電対策・電源管理:選び方④

前回は、管理ツール・ソフトについてお話しました。

今回ははUPSの選び方として最後に注意事項をお話します。

まず注意すべきは、1台のUPSで複数台のサーバーなどを制御する場合、
電源ケーブルだけ指しても制御できません。

そこで複数台制御するためには、
例えばシュナイダーエレクトリック(旧APC)のUPSの場合であれば
背面に「2-Port Interface Expander Card」などを追加購入して、ケーブル受口を追加する
必要になる場合があります。

UPS/2-Port Interface Expander Card/APC

UPS/2-Port Interface Expander Card/APC



ということは、
見積を依頼する時点で依頼していないと、いざ制御しようとすると



「予算が取れてない」
なんてことが起こるんです。。。



重要なことは、見積時点でどのような制御にしたいか相談することです。
BCP(事業継続計画)のところでも書いていますが、

複数のIT機器でどこをどう制御するかのポイントは、優先度をつけることです。

UPSは最後の砦ですので、安いだけではあとで後悔することになります。
※予算があれば、設定までお願いした方が無難です。

「2-Port Interface Expander Card」など追加で用意したという方も気が抜けません。
シュナイダーエレクトリック(旧APC)専用のケーブルかどうかで制御できない項目があったりします。
※差込先の見た目には差はないように見えますが、ケーブル内配線等が違います。



どのような制御したいかによって変わりますので、
制御のことまできっちり確認してくれるような信用できて相談できるシステム会社
を見つけることに尽きますね。



少しでも御社事業のお役に立てれば幸いです。

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